「コインチェックはカス」SBI北尾氏“衝撃発言”の真意と500億円規模のICO

SBIホールディングス(HD)は2018年度中に、仮想通貨を使った資金調達「新規仮想通貨公開(ICO)」で国内最大級とみられる

500億円規模を調達することを発表しました。

傘下の仮想通貨関連事業の中間持ち株会社を通じてICOを実施する予定です。

情報引用元:2018年3月期 第3四半期SBIホールディングス株式会社決算説明会

トークンと呼ばれる電子的な独自の証票を発行する、調達資金は仮想通貨の環境整備に向けた技術開発や高度なセキュリティー対策などに充てる予定です。

実際のICOはSBIホールディングスが行うのではなく、17年10月に設立した持ち株会社のSBIクリプトカレンシーホールディングス(HD)が実施する。

同社は傘下に仮想通貨交換業者やマイニング事業会社を持っています。

発行予定のICOのトークンは2種類

発行の有力候補として検討しているのは2種類あります。

一つはトークン保有者が保有量に応じて、中間持ち株会社傘下の企業が提供するサービスを、

無料または好条件で利用できるようにする「サービスに裏付けられたトークン」。

もう一つは知的財産を含む「資産に裏付けられたトークン」で、

対象企業が持ち分売却により利益を得た場合などにトークンの保有量に応じて

売却益の一部を分配することも検討する。

トークンは中間持ち株会社傘下の仮想通貨交換登録業者の、SBIバーチャル・カレンシーズの取引所で取り扱う計画です。

 

企業がICOで資金調達する場合は独自のトークンを発行し、買い手を募りますが、

投資家はビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨でトークンを購入するため、企業は仮想通貨が手に入ります。

 

これを円やドルなどの法定通貨と交換し、資金を調達するという仕組みです。

SBIグループの仮想通貨取引所が試験的にサービス開始

SBIクリプトカレンシーホールディングス傘下には、仮想通貨取引所を準備しているSBIバーチャル・カレンシーズ社があります。

SBIバーチャル・カレンシーズ社は2017年9月29日付で、金融庁の仮想通貨交換業者に登録され、

「万全なセキュリティを確保する」として、これまで事業を開始していませんでした。

 

1月30日から、試験的に一部の顧客を対象に限定的なサービスを開始したとのことです。

 

同社は今後、仮想通貨取引所コインチェックから約580億円相当の仮想通貨NEMが不正流出した問題や、

各国政府の規制などの動向を見極めたうえで、取引の開始日を決定するとしています。

SBIが準備を進めるバーチャル・カレンシーズという「仮想通貨取引所」を開設

SBIバーチャルカレンシーズの公式サイト

写真はSBIバーチャルカレンシーズの公式サイト。2017年12月22日付けで一般の口座開設受付は延期している。

 

SBIバーチャルカレンシーズ社が、仮想通貨の取引所の開設を準備しています。

同社は、2017年9月の時点で、仮想通貨交換業者として金融庁に登録しているが、

 

「設備の増強、ウォレットの安全対策に関して十分な確信を持った段階で開設する」として、

いまのところ業務を始めていませんが、香港でも、仮想通貨の取引所Digital Asset Exchange(仮称)の開設を準備しているとの情報です。

 

SBIバーチャルカレンシーズは、どれくらいの人が取引所に登録し、どんな仮想通貨が取扱われるのでしょうか?

これに関して斎藤亮社長は、過去に

「ビットコインとビットコインキャッシュ、リップルの3種類を取り扱う予定です。

10月から登録の先行予約ができますが、想定を大幅に上回る数万単位の申し込みが来ています。」

と発言しています。

 

時価総額ランキング第一位のビットコインと第三位のビットコインキャッシュ、第四位のリップルという3種類は、

すでに世界中の様々な取引所で取引されているため十分な取引高があります。

 

SBIバーチャルカレンシーズのオープンで2倍、3倍になるということはありませんが、好材料になることは考えられますね。

コインチェックのようなみなし仮想通貨業者は営業停止すべきだ

1月31日の会見で北尾氏は、コインチェックの不正流出問題に触れ、

「SBI証券にも、身代金を仮想通貨で払わないと攻撃するという脅迫が来る。

仮想通貨はある種の世界通貨ですから、どこから悪いやつがやってくるかわからない。

徹底的に安全対策、盗難防止をやらないといけない」と語った。

 

コインチェックが、金融庁の審査中のまま「みなし仮想通貨交換業者」として営業していた点については、

コインチェックに対して「みなしのところには、承認を受けるまで全部営業を停止すべきだ」と述べ、厳しい見解を示しています。

 

バーチャルカレンシーは金融庁の認可を得ている取引所で、これがあるのでコインチェックに対して強い発言ができるのだと思います。

SBI北尾氏がコインチェックに激おこなのはなぜ?

SBIが行う国内最大級のICOの目的を整理すると、「仮想通貨」と「モバイルファイナンス」という将来有望な2つの分野で新たな仕組み作り、

その中にSBI A&Bファンドなどから出資したフィンテック企業の技術を導入する。

 

その一方で、地銀価値創造ファンドで出資した地銀を新技術の導出先、

あるいは、自社サービスの潜在顧客にアプローチするための窓口として活用し、仕組みの規模を拡大していく。

 

これが北尾社長の描く、SBIの将来ビジョンだといわれています。

 

このビジョンを推進していこうという矢先に起きたのが、今回の不正流出騒動でした。

そのため、北尾社長は今回のコインチェックの経営陣に対し、ご立腹だったと考えられます。

 

北尾氏は続いて、「ブロックチェーン自体はまったく問題がない。足元はバブルかもしれないが、

実需ができれば価格のボラティリティも下がる。仮想通貨は新しい革命的なアイデアで、

世界通貨という側面も持ち合わせている。そういうものを規制で雁字搦めにして潰したくない」

 

とも述べており、ネット証券やネット銀行の世界で圧倒的な存在感を放つSBIグループが、

仮想通貨とモバイルファイナンスという新たな分野でも同様の飛躍を遂げられるか。

 

それは、コインチェック騒動を参考にして、どれだけセキュリティを高められるかにかかってきそうです。

SBIグループはいつから仮想通貨事業になったのか?

このように、トップ自らが「ブロックチェーンを中核技術に」と高らかに宣言していますが、

SBIではどのような仮想通貨事業を手がけていて、いつからSBIは仮想通貨事業が中心になったんでしょうか?

以下にまとめてみました。

SBIグループの仮想通貨事業
SBI Ripple Asia 2016年5月 Rippleの技術を応用した送金ソリューション提供
SBI Crypto 2017年8月 仮想通貨のマイニング事業
SBIキャピタルベース 2017年10月 ICO支援
モーニングスター 2017年12月 これまでの事業に加えてICO格付事業の開始
SBIバーチャル・カレンシーズ 準備中 仮想通貨取引所
BCause(ビコーズ) 2017年10月 仮想通貨のデリバティブ事業への出資
CoVenture Holdings 2017年9月 仮想通貨ヘッジファンド事業への出資

SBI Ripple Asia

リップルアジアロゴ

Ripple社とのジョイントベンチャーであるSBI Ripple Asia

Rippleのブリッジ機能と呼ばれる、他の通貨とも瞬時に送受信・両替し決済が可能な仕組みを基にした各種実証実験や、

送金ソリューションの提供を行なっています。

実証実験は他の金融機関も巻き込み設立した以下のコンソーシアムを通じて行われています。

内外為替一元化コンソーシアム

2016年10月、内国為替と外国為替を一元化し、24時間リアルタイムでの送金インフラの構築を目指すコンソーシアムを設立。

現在は三井住友銀行、ゆうちょ銀行をはじめ、61行が参画しています。

2018年からは韓国大手銀行と送金実験を開始するとのニュースを発表、それによってリップルの知名度が上がり価格が急上昇しました。

カードコンソーシアム

2018年1月にはJCBとともに、クレディセゾン、三井住友カードも交えて「ブロックチェーン技術等を活用したペイメントカード業界コンソーシアム」を設立予定。
ブロックチェーン技術やAIを用いて、業務効率化やユーザーエクスペリエンスの向上を目指すとしています。

SBI Crypto

日本経済新聞社と金融庁が共催で2017年9月19日(火)〜22日(金)の4日間で開催された、フィンテックサミット2017

その初日、キーノートの一つとして登壇したSBI代表の北尾氏が

「ビットコインキャッシュが発表される前からマイニングのための企業を設立し、準備を進めていた」と発言。大いに話題になりました。

(下記フィンテックサミットのストリーミング映像。)

FIN/SUM WEEK 2017 | オフィシャルライブストリーミング

 

(北尾氏による発言の骨子)

・ビットコインはスケーラビリティの問題があることからハードフォークは避けられない問題と予想
・ビットコインキャッシュが発表になる前からマイニング企業を設立
・SBIではリップルを11.05%保有
・今後は自らも採掘しながら、今後ローンチを予定する仮想通貨取引所にコインを回すなどグループ内での仮想通貨のエコシステムを作る

この講演を見ると、マイニング単体で利益を出すことを目指しているのではなく、

他仮想通貨事業を補完する役割として、よりグループ全体で盤石な体制を作るために設立されたことが窺えます。

SBIキャピタルベース

SBIキャピタルベース

ベンチャー・中小企業向けに、仮想通貨のICOによる資金調達支援プラットフォーム事業を展開。

取引所大手のZaif運営元のテックビューロが手がけ、ICO支援では先行してくたCOSMAの競合になるのでは、と期待する声もあります。

モーニングスター

モーニングスターロゴ

ファンドの検索サービスやランキングを公表してきたモーニングスターが、国内初となるICOランキングの発表を開始しました。

粗悪なコインやホワイトペーパーが出回るICO が乱発する中、投資信託、債権格付けの評価ノウハウを応用しICOレーティングを行なっています。

SBIバーチャル・カレンシーズ

バーチャルカレンシーズロゴ

2017年9月29日に仮想通貨交換業登録の完了を発表、その後12月22日時点では一般の口座開設受付は延期されています。

バーチャルカレンシーズは国内向けの取引所で、今後はグローバル取引所のSBI MAX(仮称)の展開も予定されています。

仮想通貨関連企業への出資

BCause(ビコーズ)

BCauseロゴ

米国・バージニア州の仮想通貨デリバティブ事業企業のBCause。
SBIの出資比率は40%となっています。

マーケットボラリティ(価格の変動性)が大きい仮想通貨は、現状では機関投資家の投資対象ではありません。

しかしデリバティブやETFなどはリスクが抑えられた商品のため、機関投資家の資金が流入する可能性があると見られており、仮想通貨市場が一層活性化すると期待されています。

CoVenture Holdings

CoVentureロゴ

ニューヨークに本拠地を置く、新興アセットクラスへの投資に特化した運用会社。

SBIはコベンチャー社に参画する経験豊かな仮想通貨投資家などの助言を受けながら、日本国内での仮想通貨ファンドの設立を模索していく予想です。

 

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